FRENS(ふれんず)の小野アンリです。
小学生にLGBTについてお話に行く時は高学年対象であることが多いのですが、今回、小学3年生にお話に行く機会をいただいたので、これまでの経験を生かしつつ新しく内容を考えて行ってきました。
小学校の低学年や中学年への授業では、「男は青、女は赤ではなくて、好きな色を選ぶのがいいね」系の内容が多いのですが、せっかくなので少しふみこんだ内容に。
絵本の読み聞かせとスライドを使った話で内容を構成しました。
絵本『王さまと王さま』
お話「好きのいろいろ」
絵本『くまのトーマスは女の子』
お話「性別のいろいろ」
なんでも聞いてみよう
性的指向、恋愛の指向のパートと性自認のパートを分けてそれぞれを絵本で導入しました。
①絵本『王さまと王さま』
王子さまが王子さまと恋に落ちて結婚するメルヘンちっくなお話です。
②お話「好きのいろいろ」
絵本の後、スライドを使いながら、お話をしていきました。
以前、小学校1年生にこのお話をした時は、
アンリ:「恋」って知ってる?
子ども:知ってる!魚!
という最高なリアクションが返ってきました(笑)
アンリ:「男の人を好きになる女の人」もいるし、「女の人を好きになる男の人」もいます。
アンリ:そして、『王さまと王さま』の絵本のように「男の人を好きになる男の人」もいます。
アンリ:「女の人を好きになる女の人」もいます。
アンリ:ゲイやレズビアンの人たちは絵本の中だけじゃなくて、実際にいるんだよ。
(友人のゲイカップルさんとレズビアンカップルさんを写真で紹介しました。芸能人や海外の人ではなくて身近に感じられるように工夫しました。)
アンリ:他にもいろいろな人がいます。女の人だけ好きになるとか、男の人だけを好きになるとかではなくて、女の人を好きになることもあるし男の人を好きになることもある人もいます。恋をしない人もいます。
(「ホモ」や「レズ」や「オカマ」って聞いたことある?と尋ねると、子ども達はどうも「ホモ」と「レズ」は聞いたことがない人が大半でした。「オカマ」はほとんどの人が聞いたことがあるようでした。)
アンリ:これらの言葉はずっと長い間、誰かをバカにしたり笑い者にしたり攻撃したりするために使われてきました。だから、そういう感じがこびりついてしまっています。自分はそうじゃないよという立場で、これらの言葉を使うと、相手をいやな気持ちにさせたりゲイやレズビアンのことをすごく嫌っているように思わせてしまうかもしれません。だから、そういう風に思わせたいわけなじゃないんだっていう人は、さっきお話ししたような、「ゲイ」や「レズビアン」のような言葉を使ってくれたらうれしいです。
③絵本『くまのトーマスは女の子』
もう一冊の絵本を読みました。子ども達は興味津々で聞いてくれていました。
この絵本は、トランスジェンダーのくまと、その友達のお話です。
④お話「性別のいろいろ」
アンリ:生まれた時につけられた性別と、自分が感じる性別が違う人をトランスジェンダーといいます。トランスジェンダーは絵本の中だけじゃなくて実際にいます。僕はトランスジェンダーです。
⑤なんでも聞いてみよう
そこから20分ほど、子ども達のいろいろな質問に答えながらお話ししていきました。
トランスジェンダーに関すること、カミングアウトに関すること、私自身に関すること(何が好き?など)質問の内容は多岐に渡りました。
終始、私の言葉の一つひとつに子ども達が様々なリアクションやフィードバックをしてくれて、和気あいあいとしたあっという間の時間でした。
3年生の子ども達が書いてくれた感想の中から、いくつかを紹介します。(書いてくれた通りにしています)
今日は、ふくおか市から きてくださって ありがとうございました。今日の本の王さまと王さまが けっこんしたので びっくりしました。次の本の くまも「言ったら、もう友だちになれないよ」と、くまは言ったけど 男の子が「ぼくたちは、ずっと友だちだよ」と言ったのが、いいなと思いました。
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じぶんは じぶんらしく いきて、じゆうに いきていきたいなと、思いました。王さまと王さまが おもしろかったです。
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わたしは、人に女だからとか 男だからを 人にいわないようにしたいです。しつ問してもいいですか、ポケモンの中で一番すきなポケモンは何ですか。
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わたしは、3年生のために来てくださりありがとうございます。わたしは、小のあんりさんの話を聞いて、女と女、男と男で けっこんできると はじめて しりました。日本はできないので ざんねんでした。小のあんりさんは、自分のことを言ったので とてもうれしかったです。一年生から女の子といわれ、高こう生まで がまんをできたっていうのが がんばったと思いました。わたしは、もし友だちや知らない人がわる口を言っていたら 安心自しん自由がなくなるから いっちゃいけないよと ちゅういをしていきたいです。
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わたしは、自分らしく生きていてすごいなと思いました。じっさいに、男の人が男の人といっしょに くらしているということが 自分らしく 楽しそうに生きていて、とてもいいとかんじました。
以前私が小学校に勤めていた時、一年生の担任をしていて感じていたのは、一年生の子どもたちにとっては、知らないことがあるのが当たり前で、自分が思っていたのと違うことと出会うことに子どもたちはとても慣れているということでした。
小学校で性の多様性を授業で扱う先生たちが「性の多様性を教えるのは早い方がいいんですね」とおっしゃることがよくあるのですが、私も同じように感じています。
子どもたちが幼い頃から性の多様性に慣れ親しみを感じられるような実践作りをこの冬は頑張っていきたいと思います。
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